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THE ORIGIN (2023)

Commission work from Panasonic Corporation. The seven-colored rings represent the "Seven Spirits," the basic management policy of the Panasonic Group, and the twists of the rings represent the "物心一如," a sense of abundance in both material and spiritual terms. The three-dimensional expanse is inspired by "Sonic (sound)" and symbolizes the connection to the future and the diversity of each individual.

 

パナソニック株式会社からのコミッションワーク。パナソニック目黒ビル移転に伴い、22階の壁面をデザイン。7色のリングで、パナソニックグループの経営基本方針である「七精神」を、リングのねじれで、物と心の両面での豊かさ「物心一如」を表す。3次元的な広がりは、「Sonic(音)」から着想を受け、未来へのつながりと一人ひとりの多様性を象徴している。

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THE ORIGIN

2023

Mural Painting

17,255mm × 3,650mm

​制作日記(2023年8月)

天井のハリや蛍光灯の隙間などハードな場所も攻めており「そんなところ誰も見ねーよ」という誘惑に負けそうになりながら、どの場所も妥協はしていない。壁画は、そこに残り続けるので責任があり、描き終えた後からは、自分の作品ではないと思っているので、この作品のためなら死ねるくらいの心持ちでやり切った。壁は動かせないから自分の体をクネるしかなくて、さながら何かの競技のよう。しかし、スーツを着た方々がビルに吸い込まれるのをわき目に業者としてペイントするのはほんとうに仕事の実感がある。
縦3.6m横17mのサイズはなかなか描ける機会もなく、ありがたい。色は31色だが、調色しているのでインクは40Lくらい、筆は150本くらい使用した。色の存在感が圧倒的で、絵が空間にあるのとないのとではぜんぜん違う。どれだけ画面でシュミレーションしても実物を制作してはじめてわかることも多く、とくに、ラインの曲がり具合や色味は、壁から離れて遠目にみる感じと接近して描いているときとで異なる頭の使い方が求められ、イメージとのギャップもおもしろかった。
スマホで全体像を捉えようとすると斜めからか引きの画角でしかなく、この、カメラにおさまりきらない感じが現実の意味でもある。壁と人間のサイズは不変なので、制作物の印象は作家の意図である程度はコントロールでき、うまくハマれば、空間に心地よさが生まれる。ただ、ラフのときにどれだけ想像を膨らませても経験のないことはイメージがしにくく、現場で試行錯誤もして、作家としてもよい経験ができた。お客さんの要望をくんで形や色を決めているのでデザイン要素が強いが、自分のなかでは、意味がいくつもあるという点で、アート的。奥行きのあるパースにしているが、平面の組み合わせで3次元の輪を構成しており、言われないと3次元にみえなかったりもする。
ビス打ちが鳴り響く現場で業者として作業するのはめちゃくちゃ楽しかったな。やっぱり自分はスーツを着た仕事よりこちらの方が好きだ。

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